第99回 POWER OCEAN CUP 2014 東北ツアー第2戦 岩手・釜石

開催日 タイトル 対象魚 場所
10月26日(日) 第99回パワーオーシャンカップ アイナメ・ソイ 岩手・釜石
 2014年10月26日、パワーオーシャンカップ2014東北ツアーのオータムシーズン開幕となる第2戦岩手・釜石が開催されました。フィールドは岩手県釜石。2009年以来となる5年ぶりの開催です。三陸を代表するロックフィッシュフィールドとして名高い釜石。リアス式海岸の絶景が続く海岸線。外洋に面した荒々しい磯から、内湾の漁港や小磯まで、バリエーションに富んだ地形が多くのロックフィッシュを育んでいます。
 参加者は総勢93名。P.O.C.常連の顔ぶれがズラリと揃い、さらに地元岩手から多くのエントリーを頂きました。今回初めてP.O.C.に参加頂く選手も多く、改めましてたくさんのエントリーに感謝申し上げます。

 今大会に向けてプラクティスに入った選手達によると、コンディションの良いアイナメがかなり好調に釣れている様子。ポイントによる場所ムラはあるものの、スポーニングを意識した大型のアイナメがシャローに差し始めているようで、さらにカタクチイワシが接岸し、それらをアイナメが積極的に捕食しているとの情報。複数の選手が「優勝ウエイトは4kg近くになるのでは?」「3kgでは上位に絡めないか・・・」とハイウエイト戦を想定しており、あらかじめプラクティスで好感触を掴んでいる選手が多いように感じました。上位に食い込むためには、ウエイトのあるナイスコンディションのアイナメをきっちり3本揃られるか、さらにはキッカーとなる大型を絡められるかが鍵となります。

 秋の深まりを感じる肌寒い大会当日の朝。天気は快晴。徐々に風がでるとの予報ですが、釣りには影響の無いレベル。前日のウネリが多少残っており、このウネリが勝負を左右しそうな予感・・・。受付、タックルチェック、レギュレーション説明を行って、東北ツアー恒例のプロスタッフ尾形和尚の安全・爆釣祈願!そして、フライトナンバーのコールで各選手がそれぞれ思うポイントに散っていきました。

 本部のある釜石湾の北には両石湾、大槌湾、船越湾、南には唐丹湾、吉浜湾、越喜来湾と、リアス式ならではの入り組んだ地形になっており、スポーニング初期は各湾の両サイドに張り出した岬が有望。スポーニング中期になると徐々に湾内へとポイントがシフトしてくるのが定説です。また、湾によって水深や底質が違うため、季節の進行や魚のストックに差が生じます。この広大なエリアでどんなゲームが繰り広げられているのか・・・期待に胸を膨らませ、選手達の帰着、検量を待ちます。

 

 AM12:00から検量開始。するとすぐに数名の選手が戻ってきました。魚のダメージを考えて早めに検量して欲しいとの申し出に、「Save the Fish」の信念を感じることができました。その後、続々と帰着する選手達。多くの選手がライブウェルを検量へ持ち込みます。参加選手93名に対し、ウエイインしたのは68名。ウエイイン率73%、上位9名が3kg超という好成績に、釜石のロックフィッシュフィールドとしてのポテンシャルの高さを再認識する大会となりました。

TOP3

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 佐々木 俊 3810 100
2 東谷 輝一 3800 98
3 武山 重之 3720 96

優勝 佐々木俊

 東北ツアー第2戦岩手・釜石を制したのは、今注目の若手アングラー、佐々木俊選手。今回が念願のP.O.C.初優勝!1,630gキッカーアイナメを含む、ナイスコンディションのアイナメをきっちりリミットメイクしてトータルウエイト3,810gというハイスコアを叩き出しました。魚のケアを考えて磯と車を何往復もし、さらには痛恨ともいえる再三のミスを跳ね返しての優勝に、フィジカルの強さ、メンタルの強さを感じさせる勝利といえるでしょう。

タックル1:

ロッド: 7’11”ベイトロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4.5” (#388 スーパーホヤイエロー、#115 パール/スモークシルバー Glt.バック) + 3/4oz.テキサスリグ
ライン: フロロカーボン20lb.

タックル2:

ロッド: フラットフィッシュプログラム シューティングサーフ96
ルアー&リグ: ロックマックス4” (#370 ケルプジャングルチョイス) + 3/4oz.テキサスリグ
ライン: PE#1.2 + フロロカーボン16lb.

PRO STAFF’s GAME [SHUN SASAKI’s GAME]

 ちょうど一週間前に別のロックフィッシュトーナメントが同エリアで行われたこともあり、フィッシングプレッシャーが相当高いなかでの大会になると予想し、今大会に臨みました。 前日に現地入りし、プラクティスを行った感触では、想像以上に好感触で、優勝ウエイトは4kg超と推測。最低でも3kgは持ち込まないと、上位には喰い込んでいけない状況と考え、まずはベースをしっかり固めてから勝負をかけていくプランを立てる事にしました。

 大会当日、プラクティスで感触の良かった死骨崎エリアへ迷わずエントリー。ポイントは、海が多少荒れてもウネリをかわせるゴロタシャローで、海藻が多く、スポーニングエリアには最適な環境です。 プラクティスの段階でバイトを得ていたピンポイントに、キジハタグラブ4.5”(#388 スーパーホヤイエロー)の3/4oz.テキサスリグを投入。するとすぐにバイト!まずは35cmほどのアイナメをキャッチ。 その後、同じスポットで立て続けにキャッチし、わずか10分程度でリミットメイク。この時点でウエイトは2kg弱。

 入れ替えを狙うため、シャローに点在する沈み根を攻めてみると重量級のバイト!しかし、フッキングをするも魚が浮いてくることなくバレてしまい、思わずショックでその場でしゃがみこんでしまう・・・。しかし、落ち込んでばかりいられないので、タックルをベイトタックルからフラットフィッシュプログラム・シューティングサーフ96に持ち替え、50m以上先にある島を目掛けて、ロックマックス4”(#370 ケルプジャングルチョイス)の3/4oz.テキサスリグを遠投。狙いが的中し、1投目で1kg弱のアイナメをキャッチし、入れ替えに成功!

 このエリアでは、これ以上魚を絞り出す事は難しいと判断して、隣の磯に移動することに。先行者が数人入っていた場所でしたが、一カ所だけ気になるスポットがあったので、そこへキジハタグラブ4.5”(#115 パール/スモークシルバーGlt.バック)を入れてみると待望のナイスバイト!冷静にファイトして無事に1,600gを超えるキッカーアイナメをキャッチできた!

  この時点でウエイトは3kgを上回ったので、最後の入れ替えを狙ってもう一つ隣の磯へ。ここで強烈なビックバイトをとるも、再びバラしてしまう。時計を見るとゲームが出来る残り時間は約10分・・・とにかく最後まで諦めずに、スリットの一つ一つ丁寧に探ると明確なバイト!ギリギリまで粘って絞り出したのは1,200gのナイスアイナメ!これでトータル3,600gと予想。目標ウエイトの4kgには届かなかったものの、自分のゲームはやり切ったので、急いで会場へ戻りウエイイン。

トータルウエイトを聞くと予想を上回る3,810g!

念願のP.O.C.初優勝をする事ができ、自称・初代“ロックフィッシュ王子”の折本プロから直々に、“ロックフィッシュ王子”の称号を頂きました(笑)

2位 東谷輝一

2位にランクインしたのは釜石をホームとしている東谷輝一選手。前週に同会場にて行われた別大会でも上位入賞をしている岩手のエキスパート。コンディションの良いアイナメ3本を揃えてトータルウエイト3,800gでフィニッシュ。

コメント:
優勝とは10g差という僅差でした。 コメント:地元開催ということで大会前に3度のプラクティスを行った。エリア選択がキーになると確信し、一週間悩んだ結果、当日エントリーしたのは御箱崎。前週のポジションよりも季節が進行して、もう少し湾奥に魚がシフトしていると推測。スポーニングエリアとなるウネリのあたらないポイントに照準を絞り、磯際や沈み根をリングマックスバス4.2”(#133グリーンパンプキン ブラックFlk. / ウォーターメロン レッド+グリーンFlk.バック)、1oz.テキサスリグのパンチングで狙った。すぐにバイトがあるも痛恨のミス。その後、40cmクラスを1本獲った。一探りした後は、遠投によるスイミングパターンに変更。7~8本キャッチし、リミットメイク。サイズアップを狙って、シャロー狙いに切り替え、キジハタグラブ4”(#388 スーパーホヤイエロー)の3/4~1oz.テキサスで入れ替えに成功した。

タックル1:

ロッド: 7’07”ベイトロッド
ルアー&リグ: リングマックスバス4.2”(ノリーズ) + 1oz.テキサスリグ

タックル2:

ロッド: 8’03”スピニングロッド
ルアー&リグ: キジハタグラブ4”(エコギア) + 3/4~1oz.テキサスリグ

3位 武山重之

3位には毎年P.O.C.東北ツアーに参戦している宮城のエキスパート、武山重之選手。第1戦田代島での優勝に続き、今シーズン2度目の表彰台に。今シーズン、最も波に乗っているアングラーといえるでしょう。アイナメ3本を揃えトータルウエイト3,720gでフィニッシュ。

コメント:
前週日曜日に今野選手とともにプラクティスを行った。その日は海が穏やかで、自分は35cmくらいのアイナメを1本釣ったのみだったが、今野選手は足元狙いで好調だった。今日入ったエリアは御箱崎。ポイントに入ると、先週とは打って変ってウネリの影響により、足元では反応無し。そこで狙いを変えて、シャローから一段下がったレンジにあるウィードパッチをグラスミノーL(#171 ナチュラルゴールド)、14gジグヘッドリグのスイミングで探った。早々にリミットメイクし、AM10:00頃にはトータル3kg近いウエイトに。さらに入れ替えを狙って、スポーニングエリアになりそうなスポットをバグアンツ3”(#164 ロッククラブ)の12gジグヘッドでじっくり攻めた。シェイク&ステイを中心に丁寧に攻め、ナイスサイズの雄アイナメをキャッチし、入れ替えに成功した。

タックル1:

ロッド: 7’08”ベイトロッド
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア)、バグアンツ3”(エコギア) + 14gジグヘッドリグ

タックル2:

ロッド: 9’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア)、バグアンツ3”(エコギア) + 12gジグヘッドリグ

総評

 5年ぶりとなる岩手県釜石での開催となった今回のP.O.C.。今も変わらず“ロックフィッシュの宝庫”を証明する素晴らしい釣果に恵まれた大会となりました。季節的にもちょうどスポーニングを意識した大型のアイナメがシャローに差し始める季節とあって、予想通りのハイスコア戦となり、非常に白熱したバトルでした。複雑に入り組んだリアス式海岸のなかで、グッドサイズのアイナメを多くストックしているエリアを見極め、さらに当日のコンディションを把握し、的確にアジャストした選手が上位を占める形となりました。技術、戦略、体力・・・上位に立つには様々な要素が求められることを実感した大会だったといえるでしょう。

 最後に、大会を盛り上げてくださいました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、大会を受け入れて頂きました釜石の皆様に心より感謝申し上げます。  自然溢れるロックフィッシュの宝庫・釜石。ダイナミックなゲームを全身で体感できる素晴らしいフィールドです。今まさに最盛期をむかえるロックフィッシュゲームを楽しみに行かれてみてはいかがでしょうか。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1佐々木 俊3810100
2東谷 輝一380098
3武山 重之372096
4菅野 勝一371094
5大久保 宏希335092
6佐藤 貴之316090
7倉又 一平310088
8戸澤 直彦306086
9中村 勝305084
10佐藤 裕一298082
11大泉 純輝289080
12岩間 拳人285078
13森 正大280076
14鈴木 豊和270074
15森本 正善267072
16木村 仁265070
17松本 俊彦264068
18馬場 友進262066
19川村 倫弘261064
20佐藤 雄一260062
21吉田 和哉257060
22尾形 英一254058
23佐々木 猛252056
24中村 渡247054
25尾形 慶紀246052
26杉浦 裕治245050
27前川 将太238048
28川島 浩平233046
29久保 修一227044
30大橋 永嗣223042
31日野 雅貴220040
32菅原 啓太211038
33高橋 歩209036
34高橋 拓也202034
35今野 智之198032
36平内 一希190030
37佐藤 竜一189030
38中村 豊183030
39志賀 康英174030
40橋本 久弥171030
41新沼 茂法169030
42守屋 知明161030
43佐々木 充行159030
44千葉 達也154030
45岩崎 竜美148030
45鹿野 栄健148030
47福田 正明139030
48鎌田 千里137030
49蜂谷 雅人134030
49吉田 裕134030
51小野 浩平128030
52松嶺 幸久125030
52渡辺 健125030
54石垣 宏保105030
55高橋 秀明101030
56杉本 啓97030
57菅野 亜衣92030
58鷹木 幸哉91030
59金森 淳89030
60山根 至83030
61小野寺 和美75030
62村山 栄宏69030
63田中 高広50030
64村田 博光48030
65蛯原 隆也38030
66高橋 雅幸37030
67佐々木 裕平35030
68豊島 雄三20030
69石川 清030
69井上 昌輝030
69蝦沢 慎太郎030
69及川 修030
69大澤 潤030
69小田島 良悦030
69亀谷 良輔030
69久保 奈津美030
69熊谷 憲和030
69熊谷 良太030
69倉本 和博030
69今野 勝和030
69斉藤 圭司030
69榊原 淳030
69佐々木 俊英030
69佐々木 直人030
69佐藤 恵治030
69清水 和広030
69清水 真030
69鈴木 公寿030
69中嶋 將太030
69三浦 健030
69三浦 松一030
69山舘 嘉昭030
69横岡 洋平030