第120回 POWER OCEAN CUP 2016 東北ツアー第3戦 宮城県・気仙沼大島 リザルト

開催日 タイトル 対象魚 場所
10月30日(日) 第120回パワーオーシャンカップ アイナメ・ソイ 宮城県・気仙沼大島

 2016マスターズクラシック北海道の余韻が残るなか、双璧となる2016東北ツアーも大詰めとなる第3戦を、10月30日、東北屈指のロックフィッシュフィールド「宮城県・気仙沼大島」にて開催しました。エントリーは総勢115名。2016東北ツアーの頂点・アングラーオブザイヤー、そして2016マスターズクラシック東北へのチケットがかかった注目のツアー最終戦です。

 フィールドとなる気仙沼大島は、気仙沼湾の入り口に浮かぶ周囲約22kmの島。過去には幾度となく激戦が繰り広げられてきた、パワーオーシャンカップとは切っても切り離せない馴染みのフィールドです。磯にも港にも多くのロックフィッシュが生息し、季節になれば大型のアイナメやベッコウゾイが顔を出すため、多くのロックフィッシャーマンが憧れるロックフィッシュアイランドです。

 大会前の釣況は、例年よりも水温の低下が遅れているためか、アイナメのスポーニングが遅れ気味。しかしながら、個体数は例年よりも少ないものの、既に気仙沼大島沿岸にはアイナメが接岸しており、上手く噛み合えばビッグウエイトも期待できる状況。実際に、一週間前にプラクティスに入った選手のなかには2kgを超えるアイナメを複数尾キャッチしている選手もいるとのこと。前日から気仙沼大島に渡り、プラクティスを行った選手達の口からは「優勝するには3kgは絶対!あわよくば4kg持ち込みたい!」との言葉が出るほど。しかし、スポーニング絡みのこの季節。ウエイトとなるプリスポーンの個体がスポーニング直前になり、口をとたんに使わなくなってしまうことも考えられます。前日は強い西風のため西岸側はプラクティスがあまりできていない状態。一方、東岸側も沖からのウネリであまり叩かれていない状態。良い方向に転べば気仙沼大島らしいハイウエイト戦!悪い方向に転べばシビアな僅差バトル!蓋を開けてみないと全くわからないという状況のなか、大会当日を向かえました。

 前日吹いていた強い西風、沖からのウネリともに落ち着いた絶好の大会日和を感じさせる当日朝。天気は晴天で、午後に向けて西風が徐々に強まる予報。本部となる浦ノ浜漁港で6:30から受付を開始すると、前日から島に渡っていた選手が続々と集まります。「こんなに前日入りしていたの?」と選手同士が驚いてしまうほどの人数。その後、当日朝入りの選手が乗ったフェリーが到着し、無事に全員が受付を完了したところで、エコギアプロスタッフ佐藤雄一選手よりレギュレーションミーティング。その後、待ちに待った東北ツアー最終戦のフライトがスタートします。抽選で引いたフライト順をもとに10名ごとのフライト。各選手が思い思いのポイントへと散っていきます。

 しばらくして島内を見渡すと、東岸側の磯には各所に選手がエントリーしています。過去の気仙沼大島戦を振り返ってみると、ビッグウエイトが出るのは決まって東岸側の磯。スポーニングでシャローに差しつつある大型アイナメ、そして1尾のキャッチで一気に戦況を変えるウエイトの大型ベッコウゾイ、それらが出るのは東岸側の確率が高いと考えられます。しかし、アイナメのスポーニングが遅れ気味の今季。個体数がまとまっておらず、磯による個体数のムラは避けられない状況。さらに今回は、トーナメントエリアの制限が多いため、入ることができる磯では複数の選手がバッティングしている様子。東岸側で勝利を掴むためには、磯を選ぶ眼力と、並んで競り勝つための技術がいつも以上に必要な展開になりそうです。一方、西岸側には例年以上に多くの選手の姿が見られます。漁港を中心としたラン&ガン戦略でスコアをきっちり積み上げる選手達。早い段階でリミットメイクしている選手も複数確認できます。西岸側でもトータル2kg超を十分狙えるだけに、シビア戦になると上位が一気に見えてきます。はたしてどちらの戦略に軍配が上がるのか?
 9:00前後に最干潮を向かえるタイドスケジュール。おそらくこの潮が折り返すタイミングがひとつのターニングポイントになることは必至。本部前の浦ノ浜港各所でも10:00頃から、所々でロッドが曲がる光景が見られます。500g前後のアイナメが港内を動いているようで、港奥に展開していた選手のなかには800gを超える良型のアイナメをキャッチする姿も。ハイウエイト狙いの東、きっちりスコアメイクの西。その決着をいかに・・・

 13:00より検量開始。その頃から本部周辺で移動を繰り返す選手の姿が多くなります。東岸側の磯に入っていた選手も、早めに戻って本部周辺で最後の粘りを見せています。もしかしたら東岸エントリー組に試合を決定づけるような魚が出ていないのか?そんな考えが頭をよぎります。13:30を過ぎたあたりからウエイインの選手が並びます。結果115名中78名がウエイインし、ウエイイン率67.8%。低いウエイイン率ではありませんが、最終的にトータルウエイト3kgを超えた選手は1名のみと、悪いほうの予想が的中してしまった結果に。波乱の2016東北ツアーは、最終戦まで波乱のままツアー戦を締めくくりました。

TOP3

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 佐藤 雄一 3140 100
2 吉田 勲 2950 98
3 川村 倫弘 2880 96
4 鹿野 栄健 2810 94
5 大泉 純輝 2680 92

優勝 佐藤 雄一

 2016東北ツアー第3戦を制したのは、長年東北ツアーを牽引し続ける大ベテラン・佐藤雄一選手。今大会唯一となるトータルウエイト3kg超。コンディションの良い40cmクラスのアイナメを3尾揃え、トータルウエイト3,140gでフィニッシュ。マスターズクラシック発足当時から守り通してきた自身の連続出場記録がかかった精神的に極めてタフな試合を、優勝という最高の形で権利を獲得。ここ一番での勝負強さを改めて知らしめた圧巻の優勝でした!

コメント:今大会に向けて3回のプラクティスを行い、入るエリアを絞っていた。当日、運よくファーストフライトを引いたので、入りたかったポイントに入ることが出来た。入ったのは十八鳴浜の南側にある磯。休暇村近くからエントリーして30分ほど歩かなくてはならない。70mほど沖にハンプ上のシャローがあり、その中には絶好のスリットが入っている。左側にはシャローが広がり、手前にもしっかりとスリットがあるため、かなり複合的な有望ポイント。まず、ロックマックス4”(410 グリーングロスオイル) + 11gイワシヘッドのスイミングで探っていく。完全にボトムを切った状態でのスイミング。30分ほどで総重量1,200gほどを揃えた。サイズが伸びないので、エコギアアクアリングマックス3.6”(A37 リアルマッドゴビィ)の14gテキサスリグに変更。スリット内をスイミングで探る。あくまでサイズアップを狙うので、このときもボトムはとらない。600~700gが釣れるが勝てるウエイトではないと考え、28gテキサスリグにスイッチ。沖のスリットをスイミング気味のリフト&フォールで探る。これで1,200gほどのアイナメをキャッチし、その後もスコアを伸ばしていった。ルアーはエコギアアクアリングマックス3.6”(A37 リアルマッドゴビィ)と、エコギアアクア活カサゴミルフル3”(A07 ナチュラルパールグロウ)をローテーション。アイナメが吐いたベイトはハゼ系。釣ったキーパーは全部で25~30尾ほど。季節の進行具合とスポーニングの魚のポジションを考えてポイント選択したが、そのピースがうまくはまってくれた。また、ファイト中に沖でスタックした魚も、無理なファイトをせずにしっかり待つことで根から出し、ノーミスでランディングしたことが結果に繋がった。

タックル1

ロッド: フラットフィッシュプログラム シューティングサーフ96(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: ロックマックス4”(エコギア) + 11gイワシヘッド(エコギア)

タックル2

ロッド: 9’1”スピニングロッド
ルアー&リグ: エコギア アクア リングマックス3.6”(エコギア) + 14gテキサスリグ
エコギア アクア リングマックス3.6”(エコギア)、エコギア アクア 活カサゴミルフル3”(エコギア) + 28gテキサスリグ

2位 吉田 勲

 2位にランクインしたのは、地元宮城県気仙沼市からエントリーの吉田勲選手。良型ぞろいのアイナメ3尾でトータルウエイト2,950gをメイク。今大会に向けて綿密に行ったプラクティスから導き出した自信のゲームスタイルを終始貫き通して勝ち取った見事な表彰台&マスターズクラシック出場権獲得!気仙沼開催ということで地元勢の意地をみせつけた形となりました。

コメント:今大会に向けて週ごとに計3回のプラクティスを行って臨んだ。魚がいるエリアには目星がついていたので、朝から迷わずそのエリアに入った。入ったエリアは新王平の磯。ゴロタが広がる浅い磯。そのゴロタシャローをロックマックス3”(370 ケルプジャングルチョイス)の8.8gテキサスリグをスイミングで探っていった。朝の段階ではノンキーパーのバイトしか得られず、結局10:10過ぎにようやく狙っていたキーパーサイズのアイナメを釣ることができた。そこからロックマックス3"とエコギアアクア活カサゴミルフルのローテーションで釣り込んでリミットメイク。そのまま検量をむかえた。3尾全て、ボトムをかすめるようなスイミングで釣った。最後まで諦めずに巻き続けたことが結果に結びついた。マスターズクラシックも頑張りたい!

タックル

ロッド: 7’6”スピニングロッド
ルアー&リグ: ロックマックス3”(エコギア)、エコギア アクア 活カサゴミルフル3” (エコギア) + 8.8gテキサスリグ

3位 川村 倫弘

 表彰台3位に立ったのは宮城県塩釜市からエントリーの川村倫弘選手。パワーオーシャンカップ東北ツアーでは上位常連の強者です。アイナメ3尾でトータルウエイト2,880gを持ち込み、見事マスターズクラシック出場権を獲得!佐藤雄一選手とともに、マスターズクラシック発足当初から続ける連続出場記録をさらに更新して、昨年も戦ったスーパーロックフィッシュの舞台を目指します。

コメント:入ったエリアは地獄崎近くの磯。ゴロタシャローと水深4~7mのディープが隣接するエリアで、どちらの戦略も組めるのでこのポイントに的を絞っていた。前日のプラクティスで1投目からバイトがあったので、そのまま触らずに当日に備えた。朝一から投入したのはグラスミノーL(159 カタクチ)の8.8gテキサスリグ。シンカーを10.5gとローテーションしながら探っていき、8:00過ぎに27~8cmのアイナメを2尾キャッチ。8:30過ぎに30cmを追加してリミットメイク。サイズがいまいちなので、隣接する水深があるエリアの足元でサイズアップを目指す。ロックマックス4”(398 グリパンボトムベイト)のテキサスリグで35cmをキャッチし入れ替え。その後、沖のスリットから37cmを引き出し入れ替え。ロックマックス5”(371 クラブシェルパンプキン)の14gテキサスリグにスイッチし、さらなる入れ替えを目指した。10:00頃、40cmクラスと40cm弱をキャッチし入れ替え。その後、朝一の立ち位置に戻り、ロックマックス4”(397 モンスターロックジューンバグ)のテキサスリグで探り、アイナメ、ベッコウゾイと数尾釣るも入れ替えできず。最後、浦ノ浜港で1尾追加するも入れ替えならずにそのまま検量をむかえた。

タックル

ロッド: 9.’6”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーL(エコギア)、ロックマックス4”(エコギア) + 8.8~10.5gテキサスリグ
ロックマックス5”(エコギア) + 14gテキサスリグ

【2016 Angler of the Year】 佐藤 裕一

パワーオーシャンカップ2016東北ツアーの頂点に立ったのは、パワーオーシャンカップに本格参戦をはじめてから4年目の若者・佐藤裕一選手。 第1戦4位、第2戦6位と、第3戦6位と、シーズンを通して常に上位に絡む好調をキープ。岩手県から参戦する若手の成長株が、強豪ひしめく東北ツアーを見事制しました。おめでとうございます! これにより、東北ツアー最初の2016 P.O.C. SUPER ROCK FISH出場権を獲得!勢いに乗る若手ロックフィッシャーマンから目が離せません!

【総評】

 前評判でささやかれたようなハイウエイトはでなかったものの、技術と経験値を全てぶつけあう東北ツアーらしい激戦となった今大会。全体を見渡すと、コンディションの良い魚を持ち込んだ選手からは「シャロー」「スイミング」などのキーワードが多く聞かれ、水温の低下が遅れているなかでも、大会前の冷え込みによりシャローの水温が比較的早く下がったのか、シャローに差しているアイナメの方が高活性だったように感じました。また、2kgを超すようなプリスポーンのアイナメがまったく口を使わなかったことを考えると、タイミング悪くスポーニングに入ってしまったと考えられます。
  そのなかで、ウエイトを伸ばすことが非常に難しい状況下でもきっちりと3kg超を持ち込み、今大会優勝を掴んだベテラン・佐藤雄一選手。年間1位で第3戦をむかえ、プレッシャーがかかるなかきっちりと6位フィニッシュし、見事A.O.Y.を獲得した若手・佐藤裕一選手。ベテランと若手が互いにしのぎを削る今シーズンの東北ツアーを象徴するような一戦となりました。今大会を終え、2016東北P.O.C. MASTERS CLASSIC出場選手が出揃いました。出場選手は総勢21名。その顔ぶれを見ても「MASTERS CLASSIC常連のベテラン勢vs成長著しい若手トーナメンター勢」の構図に、東北ツアーの今の姿を見ることができます。はたして頂上決戦「2016 P.O.C. SUPER ROCK FISH」への出場権を手にするのは誰か!?ツアー戦以上の激しいバトルになること必至です!
 最後に、2016シーズンを通してパワーオーシャンカップを支えてくださいました選手の皆様へ、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。また、今大会開催にあたり、ご協力いただきました大島汽船株式会社様、気仙沼大島観光協会様、そして大会を快く受けて入れ、差し入れやたくさんの声をかけて頂きました気仙沼大島の皆様に感謝申し上げます。
 東北屈指のロックフィッシュアイランド・気仙沼大島はこれから本格的なシーズンをむかえます。「これぞロックフィッシュ!」というゲームを満喫できる素晴らしいロケーション。この大切なフィールドを後世に残していくために、アングラーとして守るべきマナーを守って、ロックフィッシュゲームを楽しんでいただきたいと心から願います。「安全に釣りをする」「フィールドを汚さない」「魚を大切にする」は必須。特にロックフィッシュたちはこれからスポーニングシーズンを迎えます。魚のケアを意識して大切に扱ってください。これから先もエキサイティングで魅力溢れるロックフィッシュゲームを楽しむために。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1佐藤 雄一3140100
2吉田 勲295098
3川村 倫弘288096
4鹿野 栄健281094
5大泉 純輝268092
6佐藤 裕一236090
7鈴木 豊和222088
8守屋 友裕221086
9戸澤 直彦218084
10佐々木 健太郎200082
10中村 勝200082
12尾形 一成196078
13内藤 智就165076
14鈴木 泰洋158074
14武田 一158074
16小野寺 和美156070
16守屋 知明156070
18小野寺 正人146066
18菊池 勇貴146066
18森本 正善146066
21久保 修一145060
22佐々木 充行134058
23吉田 肇130056
24今野 勝和126054
24佐々木 俊126054
24成田 昌克126054
24橋本 久弥126054
28佐藤 優124046
28志賀 康英124046
28主藤 丈晴124046
31菅野 亜衣122040
32藤原 久志117038
33中田 大地106036
34笹山 英幸104034
35佐藤 竜一96032
36高橋 優輔87030
37中村 渡86030
38鈴木 隆ノ介85030
38高橋 歩85030
38中嶋 康文85030
41坂本 広宣84030
41八重樫 敬太84030
43川島 浩平78030
44尾形 英一72030
45倉又 一平70030
45高橋 興宣70030
47川原 渉65030
48武山 重之62030
49千田 貴信61030
50柳橋 正幸60030
51堀内 彩登58030
52横田 賢一56030
53杉浦 裕治55030
54蛯原 隆也51030
54小野寺 雄基51030
54菅原 慎也51030
57高清水 学50030
58三浦 琢都49030
59三浦 利幸48030
60関口 裕明44030
61桑野 将人43030
61千葉 元気43030
63岩脇 勇太41030
64渡辺 勇馬40030
65尾形 慶紀39030
66君崎 浩己33030
67金森 淳26030
67三浦 松一26030
69村山 栄宏25030
70稲荷平 大貴24030
70川原 武宗24030
72福士 永遠22030
73山崎 雅彦20030
74小野 浩平17030
74小野寺 良太17030
76武山 潤16030
77佐々木 晃太15030
78大崎 瞬12030
79我妻 福彦030
79阿部 清克030
79阿部 寿彦030
79安藤 克宏030
79石田 久弥030
79稲村 幸樹030
79稲荷平 勝徳030
79猪股 仁一030
79岩崎 竜美030
79岩間 拳人030
79遠藤 辰太朗030
79大久保 広徳030
79小田 貴史030
79小野 友哉030
79菅野 勝一030
79菊池 貴文030
79木村 仁030
79熊谷 翼030
79小松 文哉030
79今野 智之030
79堺 研一030
79佐藤 貴之030
79佐藤 巧030
79島田 悠太030
79菅原 隆志030
79杉 貴由希030
79鈴木 崇030
79曽根 悠平030
79田鎖 圭祐030
79武山 晴大030
79中村 亮義030
79蜂谷 雅人030
79浜 幸生030
79福士 慎也030
79松本 怜大030
79三浦 海都030
79三浦 宏悦030
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