POWER OCEAN CUP 2009東北“MASTERS CLASSIC”リザルト

 2009年12月19日(土)、2009シーズンを締めくくる最終決戦「POWER OCEAN CUP 2009東北“MASTERS CLASSIC”」が開催されました。

雪が降るなかでの開会式

エントリーの資格を持つPOWER OCEAN CUP 2009東北各3戦の上位5名とそれらを除いた総合ポイント上位5名、そして田辺哲男を加えた21名によるまさに頂上決戦の名にふさわしいトーナメント。  フィールドは第3戦の舞台となった福島県・相馬沖防波堤。今回、CLASSIC開催一週間前までフィールドはあえてシークレットに。その理由は、事前のプラクティスによる情報戦ではなく、当日の状況を的確にとらえ判断しアジャストするアングラー自身のレベルを問う形式としたかったため。東北ツアーを勝ち抜いたテクニックを思う存分発揮し、頂上に立つのはいったい誰なのか?  

 当日は東北地方に大寒波が襲来というバッドコンディション。雪が降るなかでの開会式となりました。松川浦漁港から出船。沖防波堤に渡り、全選手のタックルチェックを終えたところで田辺プロからスタートのコール。 第3戦で高水温に苦しんだ同フィールド。はたして水温は適温まで低下したのか?ロックフィッシュ達はシャローに差してきたのか?期待と不安が入り交じります。 ちなみに今回のCLASSICは3ステージ制でのトーナメント。1stステージは渡船した場所から南側エリア。2nd ステージは北側エリア。それぞれ1時間の戦い。3rdステージはエリア無制限、2時間の戦いとなります。

1stステージ

丁寧に探る田辺プロ。程なくしてパターンをつかむ。
 1stステージスタートして間もなく、堤防のスリットをミノーS[エコギア]のジグヘッドリグで丁寧に探っていた田辺プロにアイナメのバイト!いち早く水面下に泳ぐベイトフィッシュの存在に気付いていた田辺プロ。ノンキーパーサイズのアイナメだが、この魚から水面下1m前後の堤防際に、アイナメがベイトフィッシュを狙ってサスペンドしていると推測。ほどなくして同パターンにより1本目のキーパーをキャッチ。まさにこのパターンが確信へと変わった瞬間。振り返れば昨年のMASTERS CLASSIC相馬で、開始早々キーパーサイズのアイナメを堤防際からキャッチしていた田辺プロ。まるで再現VTRを見ているかのようでした。 雪は止んだものの、真正面から吹き付ける強風。凍てつく空気にアングラー達の集中力も限界レベルという過酷な1stステージが終了。この時点でキーパーをキャッチしていたのは田辺プロ一人だけというタフコンディション。今年も相馬は微笑んでくれないのか?

2nd ステージ

 そして2nd ステージ。第3戦・相馬を征した松本俊彦氏が開始早々、パラマックス3”[エコギア]のスイミングでキーパーサイズのアイナメをキャッチ。同じく第3戦・相馬入賞のプロスタッフ畠山秀悦氏がグラスミノーS[エコギア]のライトテキサスで堤防際からキーパーサイズのアイナメをキャッチ。 しかし、2nd ステージも田辺プロは止まらなかった!階段になった堤防際の変化を攻めていた田辺プロのロッドが大きな弧を描く。先程とは明らかにトルクが違うファイト。慎重にランディングされたアイナメは42cm、堂々の1kgオーバー!このタフコンディション下ではキッカーフィッシュとなりうるナイスサイズをキャッチし、一歩先に抜け出す形で2nd ステージ終了。 この時点で、キーパーサイズをキャッチしていたのは、田辺プロ、松本氏、畠山プロの3名。誰が田辺プロを止めるのか?

田辺プロ、ナイスサイズをキャッチ 畠山プロがキーパーサイズをキャッチ 松本氏もキーパーをキャッチ

3rdステージ

 いよいよ最終ステージとなる3rdステージ開始。エリア無制限にも関わらず、ほとんどの選手が実績の高い北側エリアに留まりました。近距離間に各アングラーがひしめくなか、勢いに乗った田辺プロが止まらない!他の選手が攻めた後にも関わらず、怒濤のバイトラッシュ!次々とアイナメをキャッチしていく様は圧巻。 結果、2本以上のキーパーを手にするアングラーがいないなか、田辺プロはトータル5本のキーパーをキャッチ。ただ一人リミットメイクし、さらに入れ替えも行うという離れ業を演じた田辺プロが、POWER OCEAN CUP 2009東北“MASTERS CLASSIC”を圧倒的な力の差で征しました。

『田辺プロは【ロッドの差】と語る。』

ロックフィッシュボトムTR610LS

「今回の差は“ロッドの差”によることが大きいのでは。まわりの選手達は終始ショートバイトに悩まされていた。おそらく多くの選手達はロッドでバイトを感じると同時に魚がルアーを弾いてしまうという状態だった。感度のみを追求した高弾性のロッドはバイトを感じやすいというメリットはあるが、バイトそのものを弾いてしまうというデメリットも持っている。釣れるロッドにはしっかりとくわえ込ませるだけの追従性が要求される。今回使用した「ロックフィッシュボトムTR610LS[ノリーズ]」はバイトを的確に手元へ伝える感度を持ち、さらにバイトに追従する柔軟なティップを持ち合わせている。だからショートバイトすら弾くことなく確実にフックアップできた。また、ロックフィッシュロッドにはトルクも必須。軽さばかりを追い求めたロッドではブランクが薄く、トルクがだせない。1kgを超すビックフィッシュの突進にも余裕で耐えるトルクは、ただ軽いロッドでは再現できない。本来の性能を最大限に発揮できるロッドを使うことが“釣果への第一歩”。」 今回の圧倒的な田辺プロの釣果。もちろん田辺プロの技術があってこその結果ではありますが、今大会でキーパーをキャッチした全員がロックフィッシュボトムを使用していたということも事実。ロッドの重要性を証明する結果となりました。 また、もうひとつ注目したいのは「ミノーS[エコギア]+イワシヘッド1/4oz[エコギア]」。2008クラシックに引き続き、今年もこのリグがクラシックを征しました。そのメソッドは「ミノーS[エコギア]+イワシヘッド1/4oz[エコギア]」をソフトにジャークしてリフト。縦横立体的にダートさせ、フォールやジャークの間にバイトの“間”をつくるというもの。イワシなどのベイトフィッシュにリンクしたターゲットを中層に誘い出しリアクションバイトさせるテクニックです。「ボトムでいまひとつ反応が少ない」「中層にベイトフィッシュの反応がある」という状況下で爆発力を持った必須テクニックであることはクラシックの結果を見ればうなずけます。

上位3名のTackle & Tactics

優勝 田辺哲男プロ
ロッド:
ロックフィッシュボトムTR610LS[ノリーズ]
リグ:
ミノーS(カラー:#159 カタクチ)[エコギア]+イワシヘッド 1/4oz(7g)
メソッド:
[エコギア]をジャーク&フォール。堤防際、水面下1m前後を中心に攻めた。スリットや階段などの目に見える変化はもとより、海面を漂う白泡の量や距離からカレントの当たり具合をチェックし、狙うべきポイントを終始早いテンポで攻め歩いた。カレントが強く当たるポイントが良かった。おそらくベイトの回遊がリンクしやすいのでは。
準優勝 プロスタッフ・畠山秀悦氏
ロッド:
ロックフィッシュボトムTR610ULS[ノリーズ]
リグ:
グラスミノーS(カラー:#115 パール/スモーク シルバーGlt.バック)+3/16oz(5g)テキサスリグ。
メソッド:
狙ったのは堤防際。一旦リグをボトムまで落とし、そこから中層まで持ち上げリフト&フォール。
3位 松本俊彦氏
ロッド:
ロックフィッシュボトム610L[ノリーズ]
リグ:
パラマックス3”(カラー:#094 イサダピンクグロウ)[エコギア]+イワシヘッド 3/16oz(5.3g)[エコギア]
メソッド:
浅いレンジをスイミングで狙った。

結果

優勝 田辺 哲男プロ アングラーオブザイヤー 佐藤 雄一
順位 氏名 最終重量 匹数
優勝 田辺 哲男 1750g アイナメ3匹(Big fish 42.5cm1020g)
準優勝 畠山 秀悦 210g アイナメ1匹
3位 松本 俊彦 190g アイナメ1匹
※他の選手はノーフィッシュ他の選手はノーフィッシュ
優勝 田辺 哲男 準優勝 畠山 秀悦 3位 松本 俊彦