第125回 POWER OCEAN CUP 2017 北海道ツアー第1戦 岩内 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
5月14日(日) 第125回 パワーオーシャンカップ2017 北海道ツアー第1戦 岩内 ロックフィッシュ
 パワーオーシャンカップ・ツアートーナメント2017シーズンのスタートは、今年も北海道ツアー第1戦。舞台はロックフィッシュフィールドとして、北海道内でも非常に人気のある積丹半島。その南側に位置する「岩内港」が今回のフィールドとなります。参加選手は総勢120名と大変多くのエントリーをいただきまして、心より感謝申し上げます。初戦から100名を越えるエントリーに、北海道のアングラーのロックフィッシュに対する熱の高さを感じる初戦となりました。

 今回のフィールドとなる「岩内港」は、日本海に突き出した積丹半島の南側に位置する大型港。アイナメやソイといったロックフィッシュはもちろん、ヒラメやその他のターゲットが狙える釣り場として道内から多くのアングラーが訪れるメジャーフィールドで、パワーオーシャンカップでも過去2013年に大会を開催したことがある実績の港です。東端から「東外防波堤」、その南側に「東防波堤」、西端に「西防波堤」と比較的大きな規模の防波堤を有し、その他にも小規模な防波堤が複数点在。港奥も複雑に入り組んだ形状をしており、ポイントによって様々なアプローチを展開することができます。
 事前の釣況は、春の訪れとともに5月に入ってからようやく港内にアイナメが入ってきているとのこと。しかしまだ個体数がまとまっておらず、ポイントや日によってムラがある様子。また、今大会に向け、各選手が連日プラクティスを行っており、フィッシングプレッシャーがかなり高いとの声が選手達から複数上がりました。上位常連のエキスパートの面々に優勝ウエイト予想を聞くと一様に「2kgはいかない」「1,500g前後が目安になるのでは」とのコメント。おそらく初戦からかなりのタフバトルになると予想されました。

 東外防波堤の根元にある広場に本部を設置し、定刻どおり朝5:00より受付スタート。受付開始を待ちわびた選手が続々と本部に並びます。今回は参加賞として、近日発売の新製品「エコギア熟成アクア バグアンツ3.3"」のサンプルを配布。発売前に気になるアイテムを実際に使えるとあって、選手達のモチベーションがさらに上がります。早々に各選手が受付を済ませ、試合前のミーティングを実施。レギュレーションとエリアの確認をします。そして6:00、待ちに待ったフライトのコール。フライトNo.を1~10、11~20という形で区切り、順番ごとにフライトしていき ます。気になるのは夜半から吹く強風。時間の経過とともにさらに強まる予報が出ており、いつも以上に朝一の展開が重要になると思われます。「フライト順が結果 に影響するのではないか?」と各選手が固唾を呑んで自分のコールを待ちます。フライトが早い選手は我先にとお目当てのポイントへ向かい、フライトが遅い選手は戦略を立てなおして釣果での巻き返しを狙います。ほぼ予定通り6:30には全選手がポイントへと散っていきました。

 フライト後、各ポイントをチェックして回ると、比較的まんべんなく選手が散らばっているように見えます。そのなかでも比較的人口密度が高かったのが東防波堤。10名以上の選手が並んでロッドを振っています。実際に釣果を聞くと、ポツポツながら釣っている選手がいるとのこと。人気ポイントなのもうなずけます。その対岸にある中央埠頭にも複数の選手の姿が。魚市場周辺や西堤防周辺にも数名ずつ選手がエントリーしていました。ところどころで釣果は出ているとの話があがります。しかしながら、強風というよりむしろ爆風という表現が正しいかもしれないほどの強い風が選手のゲームを邪魔します。初戦から想定以上の厳しい試合になったと、ポイントを見回るなかでひしひしと伝わってくる戦況のなか、ウエイイン開始の12:00を向かえます。

 ウエイインを始めると数名の選手がライブウェルを持って並びます。しかしその一方でノーフィッシュの帰着申告をする選手も続々と帰ってきます。そのなかには過去に優勝経験のある選手やマスターズクラシック出場実績を持つ選手の姿も。かなり厳しい展開だったことをうかがわせるウエイインとなりました。参加120名中、ウエイインした選手は41名。ウエイイン率は34.1%。終始、強風が選手達を苦しめた2017シーズンの初戦となりました。

【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 寳福 一也 1870 100
2 白木 義人 1800 98
3 大森 秀樹 1580 96

優勝 寶福一也

 2017北海道ツアー第1戦を制したのは、室蘭市からエントリーの寶福一也選手。パワーオーシャンカップ初参戦から3年目を向かえる新星アングラー。各選手がリミットメイクすらままならない状況下で、キッカーとなる1,200gアイナメを含むアイナメ3尾、トータルウエイト1,870gをメイク。日頃から徹底したフィールドワークを行い、自身のテクニックを磨き上げ、緻密な戦略を立てて臨んだ今大会。その努力が見事に実を結び、掴み取った勝利。彼の日頃の努力を知る多くの選手が称えた素晴らしい優勝でした。

コメント:プラクティスには4月に1回、5日前に1回の計2回入っていた。今まで岩内港にはヒラメ狙いでしか入ったことが無かったので、プラクティスでは地形把握を徹底して行った。最初のプラクティスでは西側、2回目のプラクティスでは東側を入念にリサーチ。それで得た情報をマップに書き込んで大会に臨んだ。最初のプラクティスではノーバイトだったが、2回目のプラクティスでちょくちょくバイトは拾えたり、カジカをキャッチしていた。朝一向かったのは東防波堤。東向きの足元に沈むケーソンを目で確認しながら、丁寧に探っていき30分でリミットメイク。風が弱い時は10gテキサスを使用。ルアーは、ミノーS(004 ウォーターメロン ブラックFlk.)、2-1/2”パドチュー(004)、3"リングマックスバス(004)をローテーションし、魚に飽きさせないようにした。風が強い時は28gダウンショットリグにチェンジ。リーダーは10cmほど。ロングロッドで垂直にアプローチ。ウィードが濃いケーソンにはダウンショット、ウィードが無いケーソンにはテキサスという使い分け。リミットメイク後もマメに入れ替えするものの大きくスコアを伸ばせずいたので、キッカー狙いに切り替えて、東防波堤の途中にある小突堤から遠投アプローチ。35gテキサスリグで狙うもショートバイトのみ。17.5gにウエイトを軽くし、バイト後にスプールフリーにして深いバイトをものにした。それがキッカーとなり、そのままフィニッシュ。このまま年間の頂点も狙いたい!

タックル1

ロッド: フラットフィッシュプログラム ラフサーフ88(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: 2-1/2”パドチュー(ノリーズ) + 17.5gビフテキリグ

タックル2:

ロッド: 6’10”ベイトロッド
ルアー&リグ: ミノーS(エコギア)2-1/2"パドチュー(ノリーズ)3”リングマックスバス(ノリーズ)+ 10gテキサスリグ

2位 白木義人

 2位入賞を掴み取ったのは、美唄市からエントリーの白木義人選手。こちらも2015年からパワーオーシャンカップに本格参戦をはじめたロックフィッシャーマン。1,160gのキッカーアイナメを含むアイナメ3尾でトータルウエイト1,800gをメイク。1尾とれるかとれないかの極めてタフな状況下で1,800gをたたき出すその実力は、今後も要注目です!

コメント:3週間前にプラクティスに入った。その際はノーフィッシュ。同行者は釣っていたが、自分的には感触を掴めないまま大会当日を向かえた。フライト順が101番と遅かったため、入る場所はプラクティスでも入っていた東防波堤にとりあえず向かったところ、たまたま空いていたのでエントリー。西向きにゲームを展開した。バグアンツ2”(261 アボカドハーフフロート)、バグアンツ3”を18gテキサスリグでローテーション。遠投してズル引きで探っていった。遠投で探ったものの、バイトがあったのは手前のウィードに差し掛かる付近ばかり。3"に食ってくるのは小さい魚、2"に食ってくるのは大きい魚という状況だった。朝はバイトが続いたものの、時間の経過とともにバイトが遠のいたため、途中他のポイントも見に行ったがバイトがなかったので、東防波堤に再度入り直した。そして昼前にバイトが再び出始め、結果全部で7バイト、3キャッチというスコアでウエイインの時刻を向かえた。残り2戦もスケジュールを調整して出たいと思う。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO710XHS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2”(エコギア)、同3”(エコギア) + 18gテキサスリグ

3位 大森秀樹

 

 3位に入賞したのは、苫小牧市からエントリーの大森秀樹選手。上位2名とは対照的に大森選手はパワーオーシャンカップに長く参戦する常連。昨年のマスターズクラシックに出場した実力者です。アイナメ2尾、クロソイ1尾でリミットメイク。トータルウエイト1,580gでフィニッシュし、今年もマスターズクラシックの権利を勝ち取りました。

コメント:プラクティスは5月1週目に一度行った。プラクティスでは東外防波堤で魚を見つけることができたので、ここならリミットメイクできるだろうと当日は朝一から東外防波堤に向かった。防波堤のなかで基部から、途中の角の少し先までに的を絞るプラン。その範囲にしか根が無かったため。根の周辺、特に穴を丁寧にリフト&フォールで探った。リグは5gビフテキリグ。ルアーはバグアンツ2”(385 ソフトシュリンプ)。強風のなかで5gのリグを着底させるために、ラインテンションは極力掛けず、基本はフリーフォール。1本目のアイナメは角から少し基部寄りでリフト中にバイト。時間は8:00頃。2本目は角周辺の穴のなかでバイトしたクロソイ。そして、3本目は1本目と同じ場所で、9:00頃キャッチ。リフト中にショートバイトがあったもののフックアップせず、そのままステイさせたら再びバイトしてきた。この魚が当日、自身のキッカーとなるアイナメだった。その後、10:30頃には風が強さを増したため、港内へと移動したもののノーバイトだったため、このままウエイインを向かえた。他の選手の釣果が伸びないなかで、強風の中でも5gで丁寧に探り続けた結果が入賞に繋がった。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムTR RBT610UL(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: バグアンツ2”(エコギア) + 5gビフテキリグ

 

【総評】

 日替わりで状況がころころと変わる気難しい春のロックフィッシュ。それに加えて、ゲームの難易度をさらに引き上げてしまった想定外の強風。長い北海道ツアーの歴史のなかでも稀に見る激タフな展開となった今シーズンの初戦となりました。しかし、そのなかでも魚をキャッチし、きっちりウエイインに持ち込む選手の面々。彼らからそれぞれ話を聞くと、今大会に向けてプラクティスを行い、事前にプランを練って、強風に悩まされつつも自分の釣りに集中して魚を手にしている選手が多いことに気がつきます。バイトが少ない状況においても、ブレることなく自分の信じるゲームを貫く。その気持ちを支えているのは最終的にプラクティスで得た感触。練習は嘘をつかない・・・ウエイインした選手達が実際に体現してくれた上達への大切な鍵ではないでしょうか。特に優勝した寶福選手は自他共に認める“練習の虫”。「上達するために現場に行く!」まさしくこの言葉が、今大会が示したテーマだったのかもしれません。

 最後に、心が折れそうな強風のなかも最後までゲームを続けて頂きました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、ご協力頂きました岩内町様、岩内郡漁業協同組合様、大会を受け入れて頂きました岩内町の皆様に心より感謝申し上げます。  
  北海道のロックフィッシュはこれからシーズン本番を向かえます。今回の舞台となった岩内は、札幌から2時間圏内と非常にアクセスしやすいロックフィッシュフィールドです。周囲にも有望なフィールドが点在し、初夏のロックフィッシュを満喫するにはおすすめのフィールドです。その一方で、人気フィールドだけに決してイージーな釣りがいつも通用する訳ではありません。だからこそロックフィッシュゲームのテクニックを磨くのにもってこいのフィールドなのです。
  「上達するために現場に行く!」
ぜひロッドを振りに出掛けてみてはいかがでしょうか?

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1寳福 一也1870100
2白木 義人180098
3大森 秀樹158096
4菅原 優一152094
5玉川 正人139092
6三宮 順一133090
7谷藤 圭太132088
8寺沢 勇輝125086
9柏木 雅一124084
10上田 仁之112082
11小山内 薫103080
12萩原 智100078
13佐藤 広宣90076
14工藤 真一68074
15笹田 桂一67072
16五福 公人66070
17駒谷 賢63068
18齊藤 裕紀62066
19深澤 奨太57064
20古屋 智博55062
21高 和矢53060
22山本 英仁49058
23能登 勇太46056
24南 誠十郎45054
25小田島 辰也44052
25下山 誠44052
25野場 一志44052
25宮島 淳44052
29佐藤 文彦43044
30竹田 淳二41042
31石澤 卓38040
32木下 喜智35038
33阿部 書和32036
33松岡 諭32036
35若井 章弘29032
35渡辺 航成29032
37佐藤 重之26030
38藤田 真司24030
39中川 正光23030
40吉田 宣宏22030
41西川 貴法19030
42石川 陽太郎030
42泉野 光宏030
42板橋 信明030
42井戸川 真吾030
42今本 則子030
42蛯子 木世寿030
42大谷 重晴030
42大塚 信春030
42岡崎 泰治030
42小山内 公一030
42甲斐 隆之介030
42柿島 心平030
42柿本 博喜030
42且見 寿樹030
42加藤 純平030
42甲森 孝太030
42神田 洋樹030
42木下 貴之030
42工藤 紘己030
42久保田 守030
42熊谷 一寛030
42小林 良稚030
42今野 哲030
42斉藤 優駿030
42齊藤 康光030
42坂本 泰樹030
42佐久間 渉030
42佐々木 勇030
42佐藤 巧司030
42佐藤 秀030
42佐藤 翔太030
42佐藤 伸030
42佐藤 智哉030
42佐藤 友一030
42佐藤 義之030
42柴田 泰久030
42下田 和広030
42仙葉 誠030
42大導寺 美佐030
42大導寺 祐輔030
42高橋 晃030
42高橋 満春030
42高畑 一030
42宅見 慎吾030
42環 優司030
42近間 康平030
42対馬 勝也030
42中島 宏之030
42中瀬 龍一030
42中原 浩二030
42中村 知道030
42成田 勇介030
42西川 剛志030
42西川 雄哉030
42西村 尚浩030
42能代 英愛030
42能代 麻左典030
42野村 潤也030
42橋本 憲之030
42橋本 祐樹030
42半田 義博030
42福岡 尚文030
42福田 和起030
42松井 智博030
42丸山 大一030
42三浦 和典030
42三上 裕一030
42宮崎 大佑030
42宮島 和也030
42村上 守030
42村島 悠紀030
42安田 和広030
42山口 隆030
42山口 瑞穂030
42山田 智則030
42山本 重明030
42吉田 洋介030
42渡辺 正悟030
42渡邉 誠人030
パワーオーシャンカップ公式facebookはコチラ。大会に関する詳しい情報を随時 更新中!