第162回 POWER OCEAN CUP 2019 OPEN TORNAMENT 秋田県・男鹿半島

開催日 タイトル 場所 対象魚
5月12日(日) 第162回 パワーオーシャンカップ2019 オープントーナメント 秋田県・男鹿半島 ロックフィッシュ

 5月12日(日)、新元号“令和”のもとでの初戦となる「第162回 パワーオーシャンカップ2019 オープントーナメント 秋田県・男鹿半島」を開催しました。2012年以来となる、秋田県男鹿半島でのパワーオーシャンカップ開催。近年、ロックフィッシュシーンが全国各地で熱を帯びるなか、秋田においても急速に開拓が進み、それらの情報を元に男鹿のアイナメのトップシーズンとなる5月開催を企画。好釣果が期待されるなかでの開催となりました。
 男鹿半島は、日本百景として知られ、日本海に大きく突き出した秋田を代表する景勝地のひとつ。古代の火山活動によって形成されたその地形は、荒々しさと雄大さを兼ね備え、手つかずの大自然が、日本でも有数の豊かさを誇る海を支えています。ダイナミックな磯と、波静かな湾という対照的なロケーションが複雑に組み合わさり、多種多様な魚を育んでいます。春はアイナメ、夏はキジハタやカサゴ、通年通して大型メバルやソイ(クロソイ、マゾイ、ムラソイ、ベッコウゾイ)を狙うことができるという、ロックフィッシュアングラーにとっては夢のようなフィールド。ロックフィッシュ以外には、クロダイやシーバス、マダイ、アジ、アオリイカなど、バラエティー豊かなターゲットが狙えます。全国的にはクロダイのフィールドとして知られる一方で、ロックフィッシュについてはまだまだ開拓が続くフロンティア…その地でむかえる令和初戦。はたしてどんな展開となるのでしょうか。

 大会当日4:00過ぎ、東の空が深い紺からオレンジへと色づき始めるなか、受付開始予定時刻を前にほぼ全選手が大会本部前に集結します。集まったのはゲストアングラー・折本隆由プロを含め総勢41名。各選手ともに表情が明るく、これから始まる初戦にむけて抑えきれないワクワク感が伝わってくる朝の景色でした。天候は一日を通して晴れ予報。朝の時点では無風という絶好のコンディション。早々にタックルチェックを済ませ、ミーティングを開始。レギュレーションを確認した後、5:30頃、10名ずつフライトのコール。2019年最初のパワーオーシャンカップが遂にスタートフィッシングとなりました。

 スタート後しばらくして各ポイントを巡回。漁港に展開している選手は数名と少なく、磯にエントリーしている選手が大半。人気ポイントになると予想された「桜島」「戸賀」「入道崎」などのエリアでは、予想通り複数の選手の姿が確認できます。なかには7:00頃の段階で、すでにキーパーをキャッチしている選手もおり、序盤は順調に釣れている模様。ただ、海の状況が前日から変わっており、あきらかに前日よりも喰いが渋い。その状況を打破すべく、対応策を模索する選手達。最終帰着は13:00…まだまだ時間はたっぷりあるなかで、いかに突破口を見つけ出すか。それが勝敗の鍵を握る展開となりそうです。

 10:00を過ぎたあたりから北東風が吹き始め、徐々に強くなっていきます。地元の方によると、北東風は水温が下がるせいか、気圧配置のせいか、原因はわからないが急に魚が口を使わなくなるとのこと。たしかにこの頃から全体的にバイトが減り、しびれを切らして移動を繰り返す選手の姿をよく見かけるようになります。最後の最後まで試合を捨てず、ワンチャンスを探し続ける…キッカーフィッシュ一尾で大きく順位が変わる状況なだけに気の抜けない展開が続きます。

 12:00、ウエイインを開始すると数名が検量に。コンディションの良いアイナメ、マゾイ、ムラソイと、男鹿で育ったロックフィッシュ達が次々とウエイインされます。なかでも佐々木立也選手が持ち込んだ48cm、1,530gのビッグアイナメには、思わずどよめく検量班。男鹿のポテンシャルの高さを直接見て感じることができた一幕でした。結果41名中27名がウエイインし、ウエイイン率65.8%と非常に高い水準。男鹿半島がロックフィッシュの宝庫であることを証明する結果となりました。


【TOP3】

順位 氏名 重量(g) 魚種
1 中村 勝 2410 アイナメ×3
2 大泉 純輝 2400 アイナメ×3
3 佐々木 俊 2070 アイナメ×3

優勝 中村勝

 

 7年ぶりの秋田県男鹿半島戦の頂点に立ったのは、宮城県石巻市からエントリーの中村勝選手。くしくも7年前の男鹿半島戦で表彰台の真ん中に立っていたのも中村勝選手。見事、男鹿半島戦・二連覇という偉業を成し遂げました。アイナメ3尾、トータルウエイト2,410gをメイク。中村勝選手といえば、P.O.C.東北ツアーに参戦している選手なら誰もが知っている大ベテラン。状況変化にしっかりとアジャストしてきっちりスコアを叩き出す姿に、ベテランの意地と経験に裏付けられた技術の高さを感じました。

コメント:7年ぶりの男鹿半島。大会前日に他の選手たちと数名でプラクティスを行った。プラクティスで入ったのは入道崎と戸賀の磯。入道崎では弱いなりにバイトを確認し、それ以上触らないようにした。一方、戸賀では気持ちよいバイトが連発。思わず釣って楽しんでしまった(笑) そのため、大会当日朝、真っ先に向かったのは入道崎。前日のプラクティスでバイトを得たスポットを撃つも反応無し・・・これはマズイと思っていると、隣にエントリーしていた鹿野栄健選手が一尾キャッチ。「俺も一本釣りたいな」と思い、10mほどの小移動を決意。前日反応が良かった足元付近を意識し、水深3mほどのストラクチャーを狙ってみると待望のバイト。1尾目をキャッチすることに成功。立て続けに2尾目もキャッチ。40cm弱のグッドコンディションなアイナメだった。前日にくらべてサイズが下がっているのが気になり、遠投で沖を攻めるとバイト。1kgクラスのアイナメをキャッチしリミットメイクした。その後も数尾のキーパーを釣ることができたが、入れ替えはできず。ルアーは、前日の段階では茶系のグラスミノー、ロックマックスが良かった。そこで、朝一はグラスミノーM(468 スパークルチェリーブランデー ※参加賞で配布されたルアー)。その後、潮の濁りが気になったのでルアーチェンジ。エコギア アクア リングマックス3.6”(A33 ホヤイエロー グリーン+ブラックFlk.)でキッカーを獲った。

タックル

ロッド: 9’06”スピニングロッド
ルアー&リグ: グラスミノーM(エコギア)、エコギア アクア リングマックス3.6”(エコギア) + 21gビフテキリグ

2位 大泉純輝

 準優勝は、岩手県盛岡市からエントリーの大泉純輝選手。コンディションの良いアイナメ3尾、トータルウエイト2,400gでフィニッシュ。優勝の中村選手とは10g差という僅差。2位のコールに思わず悔しさを顔に出してしまった大泉選手。その姿にロックフィッシュトーナメンターとしての彼のプライドを感じた場面でした。その悔しさを糧にして、これから始まるツアー戦を戦い抜いて欲しいと思います。

コメント:男鹿でロッドを振るのは昨年4月末以来。前日に半日だけ他の選手とプラクティスを行った。プラクティスでは、シャローでもディープでもなく、ミドルレンジに魚がいる感触だったので、磯際や比較的手前の沈み根を丁寧に攻める戦略で当日戦うことにした。当日朝、エントリーしたのは戸賀の磯。昨年の釣行では赤やオレンジといった強い色を使い、気持ちよいバイトばかりの記憶だったが、前日プラクティスではプレッシャーのせいかバイトが弱く感じられた。そこで、よりバイトを確実なものにするためにルアーはエコギア熟成アクア リングマックス3”(J08 赤エビ)をチョイス。タックルもバイトを弾かないようにソフトなRPO78MHC2を使い、10gテキサスリグで沈み根脇を丁寧に攻めた。8:30頃、待望のバイト。1kgクラスのアイナメをキャッチした。バイトが無いため、入道崎に移動。しかし、状況が好転しないので、再び戸賀に入り直した。「もしかしてアミを喰っているのか?」との推測をもとに、ルアーをエコギア熟成アクア ミルフル3.3”(J01 オキアミ)にスイッチ。35gビフテキリグで沈み根の脇をバーティカルに攻めてみると、2尾目のバイト。釣り上げたアイナメが大量のアミを吐き出し、推測は的中していたと確信。そこから3尾目、4尾目とキャッチしてスコアを築いていった。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO780MHC2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア リングマックス3”(エコギア) + 10gテキサスリグ

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO940XXHS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: エコギア熟成アクア ミルフル3.3”(エコギア) + 35gビフテキリグ

3位 佐々木俊

 

 3位に入賞したのは、宮城県登米市からエントリーの佐々木俊選手。アイナメ3尾でトータルウエイト2,070gをウエイイン。柔軟な発想と多彩な攻めでロックフィッシュ達と向き合うのが佐々木俊選手のスタイル。今回が初めてという男鹿での釣行も、彼らしいゲーム展開できっちりとスコアをメイクし、見事表彰台を勝ち取りました。

コメント:前日にプラクティスを行った。桜島からエントリーし、向ったのはハネゴ付近。「想像よりたくさんアイナメがいるな」と思えるほどバイトは多く、魚のコンディションもチェックしておきたかったので掛けてみるとグッドコンディションだった。さらに、良型のメバルが付く沈み根を発見。25cmアベレージで、たくさん釣ることができた。そこで、大会当日はメバルでリミットメイクし、アイナメで入れ替える作戦を立てた。大会当日、ファーストフライトだったので迷わず前日のポイントへ。朝一に一尾目のアイナメをキャッチしたが、その後バイトが遠くなる。メバル狙いにスイッチし、それでリミットメイク。しばらくし、対岸にエントリーしていた折本プロが良型のアイナメをキャッチしている姿が目に入ったので「時合いが来たか?」とアイナメ狙いに戻す。遠投でアイナメ2尾目、3尾目と釣り、入れ替えに成功した。使ったルアーは、朝一はリングマックス パワーオーシャン3.6”(461 クラブ&ゴビィ)、2尾目・3尾目のアイナメはキジハタグラブ4”(171 ナチュラルゴールド)。リグは28~35gビフテキリグ。初めての男鹿での釣行で感じたのは「とにかく魚がフレッシュでバイトが気持ちいい!」。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトムパワーオーシャンRPO940XXHS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3.6”(エコギア)、キジハタグラブ4”(エコギア) + 28~35gビフテキリグ

 

【総評】

 噂どおりのロックフィッシュフィールドとしてのポテンシャルの高さを証明した秋田県・男鹿半島戦。東北のアイナメゲームというと“太平洋側”というイメージばかりが強かった今までのシーン。その概念を根本からひっくり返すだけの実力を見せつけてくれました。男鹿半島が、アイナメ、ソイ、メバル、そしてキジハタやカサゴと、多様なロックフィッシュと向き合うことができる日本屈指のロックフィッシュフィールドであることは間違いありません!また、今大会を開催するにあたり、地元から複数の選手がエントリーしてくださいました。男鹿でのロックフィッシュについて聞くと、ロックフィッシュをはじめてからまだそれほどの年月が経っていないとのこと。秋田のロックフィッシャーマンによる今後の開拓にますます期待です。それとともに「SAVE THE FISH」の気持ちでキャッチ&リリースを啓蒙することで、この素晴らしいフィールドを未来へと繋げて欲しいと切に願います。
 最後に、大会にご参加頂きました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、ご協力頂きました秋田県男鹿市様、道の駅おが様、つりショップ海風様、そして大会を受け入れて頂きました秋田男鹿の皆様に心より感謝申し上げます。
 これからますます開拓が進むロックフィッシュフィールド「秋田県男鹿半島」。今まさにハイシーズンをむかえているアイナメゲーム、デイゲームで狙えるブルーバック尺メバルゲーム、これからスタートする真夏のキジハタゲームとロックフィッシャーマンにとってはたまらないゲームばかり。思わず息を呑む雄大な大自然の中で、新たな発見を探しに出かけてみてはいかがでしょうか?きっとそこには極上のロックフィッシュゲームが待っているはずです。

結果

順位 氏名 重量(g) 魚種
1中村 勝2410アイナメ×3
2大泉 純輝2400アイナメ×3
3佐々木 俊2070アイナメ×3
4川島 浩平1940アイナメ×3
5渡辺 健1630アイナメ×3
6佐々木 立也1530アイナメ×1
7佐々木 晃太1460アイナメ×3
8鹿野 栄健1380アイナメ×3
9加藤 優太1290アイナメ×3
10尾形 一成1270アイナメ×2、マゾイ×1
11山口 恵1250アイナメ×2、ムラソイ×1
12川原 武宗1180アイナメ×3
13武藤 大虎1160アイナメ×3
14小林 拳人1120アイナメ×3
15川村 倫弘1060アイナメ×3
16小山 彬帆1000アイナメ×2、マゾイ×1
17中田 大地970アイナメ×2
18倉内 唯馬960アイナメ×1、ムラソイ×2
19真木 亮裕870アイナメ×3
20成田 昌克800アイナメ×2、メバル×1
21日景 颯730ムラソイ×3
22菊池 勇貴720アイナメ×2、マゾイ×1
23岩崎 竜美670アイナメ×1、ムラソイ×1
24佐々木 玲奈520アイナメ×2
25横田 賢一440アイナメ×1
26小田島 海斗140アイナメ×1
27天野 拓也0 
27岩脇 勇太0 
27太田 武蔵0 
27尾形 英一0 
27尾形 良純0 
27小田島 良太0 
27菅 雅哉0 
27佐々木 裕平0 
27鈴木 孝大0 
27鈴木 辰徳0 
27高橋 巧0 
27高橋 拓也0 
27中野 雄介0 
27松田 武嗣0
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