第178回 POWER OCEAN CUP 2022 TOURNAMENT TOUR 北海道 第1戦 函館 リザルト

開催日 タイトル 場所 対象魚
4月24日(日) 第178回 POWER OCEAN CUP 2022 トーナメントツアー北海道 第1戦 函館 ロックフィッシュ
 新型コロナウイルス感染拡大防止を理由に2020年、2021年と二年間にわたり中止してきましたパワーオーシャンカップ。二十年以上続く大会の歴史のなかで、これほど長い中断期間は初めて。その間、海や魚の変化、そして釣り人を取り巻く環境の変化を冷静に見つめ、これからのパワーオーシャンカップはどうあるべきか…立ち止まり、考える時間となりました。そして迎えた2022年。徐々にではありますが以前のような生活が戻りつつあるなか、パワーオーシャンカップ再始動。その初戦が「トーナメントツアー北海道第1戦」です。

 今大会の舞台「函館」は、パワーオーシャンカップが始まった原点の地。決して意識したわけではなく、候補地を決めるなかで自ずと「函館」となり、何か縁のようなものを感じます。参加選手は総勢133名。中断期間を経て、どのくらいのエントリーをいただけるのか不安でしたが、大変多くのエントリーをいただきまして心より感謝申し上げます。
 競技エリアは、大きく分けて11のエリアで構成されます。まず東岸は、北から「七重浜」「港町埠頭」「北埠頭」「万代埠頭」「中央埠頭」「海岸町船溜まり」。西岸は、湾奥から「緑の島」「西埠頭」「国際水産・海洋総合研究センター前」「入船漁港」。そして外洋向きの「住吉漁港」となります。また、埠頭によっては開門する時刻があり、それを計算に入れながらゲームプランを組まなくてはいけないのも函館戦です。
大会前日、競技エリアを巡回すると、各所にプラクティスを行っている選手の姿が。事前情報によるとプラクティスでは「港町埠頭」や「北埠頭」「万代埠頭」「中央埠頭」など水深のあるエリアでの釣果が目立っていたようで、ウエイトを見込めるアイナメの個体数は季節的にまだ少ないものの“出ればデカい”という話でした。なかには「うまく噛み合えばトータルウエイト4kgもあり得る」という景気の良い声も。その一方で、プラクティスでは魚の動きを掴み切れず、不安をのぞかせる選手も。また、前々日の雨、前日に吹いた強い西風という条件がどう影響するのか?紙一重なゲーム展開になりそうな気配を感じながら大会当日へ。
 4/24、4:00。大会本部となる摩周丸横特設会場を設営し始めると、続々と選手達が集まってきます。久しぶりに見る光景に気が引き締まります。5:00頃より受付を開始。コロナ感染対策を徹底しながら受付を進めます。5:35より本部テント前にてミーティングを実施。6:00頃、いよいよフライトとなります。受付時に抽選したフライトナンバーをもとに、20台ずつフライト。それぞれ思い思いの方向へと散っていきます。

 各選手がゲームスタートした頃合いを見計らい、各エリアの巡回を開始。まず初めに向かったのは「西埠頭」。過去実績が非常に高いエリアですが、今回は開催時期が4月ということで例年とは少し雰囲気が違います。釣れるのか?それともまだ時期が早いのか?その辺も見ながら埠頭を回ります。流石に実績あるエリアだけに、埠頭全体に満遍なく選手の姿があり、早い時間帯でも数尾のアイナメが上がっていました。海藻が多いエリアなので魚はストックしていそう。あとはフィーディングのタイミングが来るかどうか。次に向かったのは「研究センター前」。複数の選手がエントリー。聞くとマゾイの釣果がちらほら。水深があるエリアなのでソイの釣果に納得。また、玉川正人選手と寶福一也選手が競技エリアに隣接するシャローを遠投で狙っています。ライバル関係にある強豪同士がたまたまバッティングしてしまったとのこと。朝の時合いでそれぞれアイナメをキャッチしていました。「入船漁港」に移動し、港内を見渡すと数名の選手が見えます。話を聞くと朝はもっと選手がいたとのこと。かなり早い時間から複数の選手がラン&ガンを開始している模様。次に向かったのは「住吉漁港」。到着時には残念ながら誰もいませんでしたが、朝一は数名エントリーしていたようです。

 

 大きく移動して、東岸の北端「七重浜」へ。数名の選手の姿があります。そこへたまたま三上顕太選手がエントリー。さらにこの後、研究センター前にいたはずの寶福選手も七重浜まで移動。過去、入賞に絡む魚が出たことがあるポイントですが、決して魚影は濃くなく、さらに移動時間などを考えると敬遠されがち。そのポイントへ、スーパーロックフィッシュ優勝経験のある選手、マスターズクラシック優勝経験のある選手が探りに来ることが正直、意外でした。一尾のウエイトが順位に大きく影響することを知っている選手だけに、先入観は禁物と教えられました。次は「港町埠頭」へ。人気ポイントであり、プラクティスでも釣れていたので多くの選手がいるであろうと向かうも、思いのほか選手の姿はまばら。想定より釣れず、既に移動した選手が多くいたようです。とはいえ、数名がアイナメをキャッチしています。隣の「北埠頭」にも複数の選手が入っています。しかし、ここもプラクティス想定よりも釣れていない様子。「万代埠頭」「中央埠頭」も北埠頭とよく似た状況。各埠頭ともに朝の時合いでは数尾、良いサイズのアイナメが出たとの情報でした。ちょうど11:00のタイミングで「船溜まり」へ。複数の選手がいたので話を聞くと、朝の時合いでラッシュした選手がいるとの話。また、この時間帯でも単発ながらアイナメをキャッチした選手がいました。最後に「緑の島」へ。ここに半数以上の選手がいるのでは?と錯覚してしまうほど多くの選手が入っています。散発ながらアイナメは釣れているとの情報。フィーディングのタイミング次第でキッカーフィッシュが連発することもあるエリアだけに最後まで気が抜けません。

 12:00より検量を開始すると、数名の選手がウエイイン。その後はしばらく間が空きます。リミットメイクを目指して競技時間ギリギリまで粘る選手が多い様子。帰着締め切りの13:00が近づくと、検量の前には列ができます。結果、参加選手133名中、ウエイインした選手は53名。ウエイイン率は39.8%でした。1kgを超えるグッドサイズのアイナメが何尾も出たものの、リミットメイクできずにウエイインした選手が多く、競技時間内に3尾を揃えることの難しさを改めて思い知らされた検量となりました。

TOP3

順位 氏名 重量(g) 獲得ポイント
1 若井 章弘 3,600g 100
2 口岩 毅人 3,510g 98
3 山崎 昭典 3,120g 96

優勝 若井 章弘

 

アイナメ×3尾 トータルウエイト3,600g

コメント:プラクティスは行わず、今シーズン最初の釣行だった。緑の島に入りたいところだが開門が9:00なので、それまでは湾奥でゲームをスタートするプラン。シーズン的にまだ早いのでシャローエリアの方が水温が上がりやすいと予測したため。最初に向かったのが万代埠頭。しかし、前日の強い西風の影響でゴミが多く浮いていたため移動。船溜まりに向かった。口岩選手の隣に入り、ゲームスタート。すると口岩選手が立て続けにキャッチ。これは良い展開かも…と集中しキャストを続け、3尾を立て続けにキャッチすることに成功。この段階では40cmクラス2尾と30cm台後半1尾。バイトが遠のいたタイミングで移動。西埠頭へ向かう。しかしいまいち雰囲気が良くないので、パワースポット“緑の島”へエントリー。市場向きに入るもホッケのみだったため、西埠頭向きに入り直す。周りは釣れていない様子だったので、「釣れていないのであればまだこれから時合いがあるのでは」とポジティブに考えた。バイトが無く周囲の選手が減っていくなか、11:40頃、遠投先で違和感的なバイト。その1尾で入れ替え完了。今日はモゾっとしたバイトが多かった。マッスルキャストの方が状況的にあっていたのかもしれない。ルアーは、リングマックスパワーオーシャン(船溜まりは462 タフタイムカモ、緑の島は463 ボトムバーサタイル)。リグは終始28gフリーリグ。遠投して70~100m先をリフト&フォール、ストップ&ゴーで探った。函館は相性が良いとしか言いようがない。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトム パワーオーシャンRPO94XXHS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 28gフリーリグ

タックル

ロッド: フラットフィッシュプログラム マッスルキャスト100カスタム(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 28gフリーリグ

2位 口岩 毅人

 

アイナメ×3尾 トータルウエイト3,510g

コメント:水曜日の朝二時間と、前日にプラクティスを実施。水曜日のプラクティスの段階で、船溜まりエリアで好感触を得ていた。フライト二巡目だったので真っ先に船溜まりへ。そして、やはりプラクティスと同じ時間帯にバイトがあった。7:00頃に1尾目、7:30頃に2尾目と立て続けにキャッチすることができた。遠投した先の海藻のなかへリグを落とし込み、着底時にバイトが出るパターン。リグが入り込む海藻の隙間を丁寧に探っていった。リフトする際は海藻の上にルアーが出るように大きく早めにリフトして誘った。ルアーは、2-1/2"パドチュー(382 ブルーキャスティーク)。リグは35gビフテキリグ。海藻の奥に魚がいる感じだったのでできるだけシンカーとワームが離れないよう、シンカーストッパーをシンカーから2cmくらい上にセットした。その後、船溜まりでバイトが無くなったため、フレッシュな魚を求め、緑の島の開門を目指し移動。9:30頃、遠投で3尾目をキャッチしリミットメイク。この魚が一番良いサイズだった。タックル、ルアー、リグは船溜まりと同じ。遠投先に沈んだブッシュにリグが潜り過ぎないよう早めのリフト&フォールで探った。ブッシュの上に乗っけるイメージ。その後、ラン&ガンするもそのままフィニッシュとなった。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトム パワーオーシャンRPO94XXHS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: 2-1/2"パドチュー(ノリーズ) + 35gビフテキリグ

3位 山崎 昭典

 

アイナメ×3尾 トータルウエイト3,120g

コメント:今回に向けてのプラクティスは行わずにぶっつけ本番。以前函館を訪れた際に緑の島で釣りをして何尾か釣ったことがあったので、今日の本命ポイントは緑の島。しかし開門の9:00まで西埠頭に入るか、船溜まりに入るかフライト直前まで迷っていたが、ファーストフライトだったため、先行の数台が西方向へ向かっていったのを見て、船溜まりに入ると決めた。開始して20分ほどで2尾キャッチ。ルアーは、リングマックスパワーオーシャン3”(カラーは323 北陸クリアホロをブラックペイントし、ダークスモークに改造したもの)。リグは、17.5gビフテキリグ。遠投ではなく40mほど沖を狙うスタイル。アクションは、リーリングでボトムすれすれをスイミング。当初のプラン通り9:00の開門時刻と同時に緑の島へエントリー。ルアーをリングマックスパワーオーシャン3”(463 ボトムバーサタイル)にチェンジし1尾をキャッチ。船溜まりの2尾と緑の島1尾でリミットメイクすることができた。

タックル

ロッド: ロックフィッシュボトム パワーオーシャンRPO710HS2(ノリーズオーシャン)
ルアー&リグ: リングマックス パワーオーシャン3”(エコギア) + 17.5gビフテキリグ

総評

 

 2022年度の初戦となった今大会。4月開催ということもあり、まだまだロックフィッシュシーズン序盤の雰囲気が漂うなか、ビッグスコアメイクには欠かせないアイナメの動きが鍵を握りました。射程圏に入ってきている個体数は決して多くない状況ではありましたが、前評判通り“出ればデカい”という展開に。海水温が上昇しやすい湾奥やシャローに照準を絞り、アイナメがフィーディングでコンタクトしてくるポイント、タイミングを掴んだ選手が上位を占める形となりました。
 最後に、今大会に参戦いただきました選手の皆様、大変お疲れ様でした。また、会場をお貸しいただきました函館市様、ご協力いただきました地元ショップ様、そして受け入れていただきました函館の皆様に心より感謝申し上げます。
 これからが待ちに待ったロックフィッシュシーズン本番です。春から夏にかけては様々なスタイルで魚達と向き合える季節です。豊かな函館の海でトルクフルなロックフィッシュのファイトを楽しんでみてはいかがでしょうか。

結果

順位氏名重量(g)獲得ポイント
1若井 章弘3600 100
2口岩 毅人3510 98
3山崎 昭典3120 96
4渡辺 正悟2910 94
5道林 孝樹2530 92
6三上 裕一2160 90
7吉田 悠介2150 88
8三上 顕太1910 86
9古屋 智博1740 84
10大津 駿介1690 82
11玉川 正人1650 80
12伊藤 徹郎1630 78
13村本 翔磨1550 76
14斉藤 一真1510 74
15工藤 大尊1480 72
16今本 則子1400 70
16道林 有希野1400 70
18半田 義博1360 66
19近間 康平1340 64
20笠山 祐樹1290 62
21川本 純也1260 60
22寳福 一也1250 58
23守口 康朗1200 56
24二本柳 舜1190 54
25加我 強至1170 52
26賀川 幸介1140 50
26川村 啓貴1140 50
28佐藤 太一1130 46
29小山内 薫1100 44
30大塚 将光1080 42
31西澤 大1050 40
32川添 誠次1010 38
33三浦 和典920 36
34甲谷 辰徳880 34
35能登 勇太870 32
35村中 大騎870 32
37柴田 隆一800 30
38村上 守780 30
39田辺 陵真690 30
40下山 誠600 30
41西川 貴法590 30
42石本 眞那斗570 30
42久保 修一570 30
44山田 智則550 30
45三宮 順一540 30
46木下 喜智480 30
47山崎 睦仁440 30
48木村 太星430 30
48佐藤 大輔430 30
50矢木田 光希420 30
51三浦 梨香410 30
52小林 航270 30
53高 和矢250 30
54赤松 拓0 30
54浅井 聡之0 30
54池田 祐真0 30
54和泉 祐汰0 30
54井戸川 真吾0 30
54上田 仁之0 30
54大澤 潤0 30
54大下 和宏0 30
54大杉 和洋0 30
54大平 蓮0 30
54大谷 重晴0 30
54大塚 信春0 30
54大森 秀樹0 30
54岡田 研吾0 30
54岡田 広美0 30
54小田島 辰也0 30
54柿本 博喜0 30
54加藤 純平0 30
54金井 俊明0 30
54甲森 憲太0 30
54川村 界斗0 30
54川村 悠貴0 30
54口岩 美夏0 30
54工藤 真一0 30
54工藤 昌嗣0 30
54久保田 守0 30
54熊谷 一寛0 30
54倉内 唯馬0 30
54栗原 心吾0 30
54河野 辰也0 30
54今 翔吾0 30
54齊藤 拓也0 30
54笹田 桂一0 30
54菅原 崇文0 30
54菅原 優一0 30
54菅原 雄平0 30
54先崎 大介0 30
54千秋 俊和0 30
54高橋 和宏0 30
54高橋 真那斗0 30
54竹原 智博0 30
54田澤 裕介0 30
54谷藤 圭太0 30
54対馬 勝也0 30
54対馬 大湧0 30
54対馬 大登0 30
54富坂 弘一0 30
54鳥海 早紀子0 30
54鳥海 洋0 30
54中川 正光0 30
54中島 秀夫0 30
54中瀬 哲也0 30
54中野 貴行0 30
54中村 翔馬0 30
54西川 雄哉0 30
54萩原 智0 30
54橋本 憲之0 30
54原 慶志0 30
54原田 委里治0 30
54福田 航0 30
54藤田 真司0 30
54藤原 將員0 30
54星野 光希0 30
54細井 雄一0 30
54細川 大輝0 30
54本間 聡一0 30
54松居 大輝0 30
54松井 健0 30
54松岡 諭0 30
54丸山 大樹0 30
54丸山 大一0 30
54三浦 友太0 30
54道林 純0 30
54村田 翔太0 30
54薬師堂 雄大0 30
54安田 将耶0 30
54山本 重明0 30
54吉田 宣宏0 30
54吉野 崇憲0 30
54和田 大地0 30

 

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